この記事はMagento Advent Calendar 2015の 4 日目のものです。
今までの方々の技術系のお話から一転して、非エンジニア系のお話でいきたいと思います。
実際に初めて Magento でサイトを構築する際に、気になる部分としては、
- デフォルトで備わっている高機能に対し、どこまで日本のユーザー向けにできているのか。
- 日本のサイトとして一般的に使われている範囲にきちんと対応できるのか。
- 素晴らしい日本語化エクステンション(プラグイン)があるが、それを当てるだけでほんとうに良いの?
そこで、最低限おさえておきたい部分として10個にまとめてみました。
長くなってしまったので全2回構成にしたいと思います。
1.カートの送料と税金の計算機能を非表示に
日本国内での計算をさせたい場合には素晴らしいのですが、 税金を計算するケースは、日本国内への発送であれば想定する必要がありません。また、カートに行った際にその表示があることでお客様に不安を与えてしまう可能性すらあります。
カートに遷移した後はできるだけシンプルにお客様の不安をなくし、
クリック数も含めて全てを簡略化する方向で考えていくべきです。
Magento の機能として、OnePageCheckOut というものがあり、
画面遷移ではなく、同じページ内で購入のための情報を入れることができ、
その各パーツに対して、すぐに戻って編集することを可能にしています。
お客様の離脱の一番の要因は、「お客様が考えていたものと違う状況」が存在することです。
不必要な入力項目や想定外の画面遷移、在庫がなかったり、ページ遷移先が 404 だったり。
細かな確認やテストが大事になってきますが、
その積み重ねが EC サイトのコンバージョンをアップさせていきます。
実際にどのように非表示にするかというと、
phtml というフロントを構成する php ファイルを変更する必要があります。
frontend/rwd/default/template/checkout/cart/shipping.phtml
こちらが該当部分となります。
もしくはその上層にある、
frontend/rwd/default/template/checkout/cart.phtml
から呼び出しを解除するのもありです。
※もっといい方法があるかもしれません。また、基本的な探し方や変更ルール等は別の機会に。
2.商品タグ機能を非表示に
こちらも日本では見慣れない表示。上手に使えばとてもおもしろい機能です。
商品に対して自由にタグ付けができます。
承認のステップを作ることはできますが、「管理者が」ではなく、「お客様が」です。
その商品にお客様がどんなタグをつけたのか、などを管理者から確認することや他のユーザーのタグを見ることなどができます。
素材などを売っているサイトに良いのかもしれませんが、こちらも見慣れないので
非表示にしています。
システム>設定>高度な設定>高度な設定>無効なモジュール出力
※このメニューは数回出てきます。
Magento のエクステンション(プラグイン)の有効/無効をコントロールする箇所です。
自社でカスタマイズした場合にもこちらに追加する形になります。
画面を見ると「Mage_XXX」のようなものがたくさんあります。
Magento 自体が基盤+エクステンションで構成されていることがよく分かる場面です。
デフォルトで高機能の Magento は多くのエクステンションを標準装備して、
パッケージングされていることがよくわかります。
今回は「Mage_Tag」というものがあります。
こちらを「無効」にしてください。
そうしますとフロント画面から消えています。
今回お話で触れない部分もありますがこちらで多くのことがコントロールできます。
phtml(フロントの PHP ファイル)を修正して非表示にするよりも
エクステンションを使ってコントロールすることをオススメします。
ただし、カート自体も Off できるレベルのものもありますので、
必ずテストしてください。
3.配送日指定をできるようにする。
日本の通販では当たり前となっている配送日指定がMagentoでは標準ではついていません。実際のところ、ダウンロード商品や海外越境商品などですと配送日の指定などは必要ありませんし、 日本の配送会社のように指定した時間にキチンと届けてくれない、という 場面も多くあるのかと思います。
さて、日本では当たり前にある配送日・時間指定を Principleworks様から出ているエクステンションを導入しましょう。
https://principle-works.jp/rack-deliverydate こちらのサイトで購入(このエクステンションは有料です。)して、 エクステンションをダウンロードしてください。
システム>Magentoコネクト>Magentoコネクト管理画面
こちらでファイルをアップロードしてキャッシュクリアしてインストール完了です。
※実際にファイルを展開する方法などでも可能です。
細かい設定などは上記リンクをご確認ください。
配送希望日と配送希望日時をカート画面で選択することができるようになります。
4.投票機能がデフォルトでついている。
投票機能、いわゆる簡素なアンケート機能です。こんな機能も標準でついています。
こちらもあまり日本では見かけませんので、きちんとコントロールしたいところです。
デフォルトで出現してくる箇所は、2カラム右ナビや3カラムにしたページに表示されます。
一番簡単な方法は3カラムのページを減らしてください。
CMS>ページ管理で確認・変更することができます。
投票の管理は
CMS >投票で行えます。
有効な投票をなくすことで該当の箇所はなくなります。
実際に phtml などで変更することはできますし、
右ナビを表示しない設定にすることもできますが、
必要なページにおいては
なかなか多機能な右ナビをそのまま活かすことが望ましいかと思います。
などがデフォルトで設置されています。
5.管理画面の通知を考える。
Magentoの管理画面にログインすると、既読にするまでメッセージによっては 毎回添付のようなポップアップがされます。新しいバージョンのリリースやバグFixなどをお知らせしてくれます。
開発者やきちんと Magento やシステムのことを理解している方、
英語での通知に抵抗のない方にとってはとっても有用です。
しかし、実は弊社で導入させていただいたお客様に一番不評なのがこの機能。
今のところほぼ全てのお客様で非表示にしています。
導入時のメインで進めていただける担当者は特に問題ないのですが、
実際に毎日システムを触る方の中には、
などのご意見をいただき、非表示にしています。
実際には
「Magento 2.0 Is Available!」なんてポジティブな方は緑色のアイコンですしいいんですが、
「New JavaScript Malware Issue. Make sure your site is secure.」と赤いアイコンで出てしまうと
たしかに不安でいっぱいになりますし、
即セキュリティパッチを適用したいところですが、
テストも必要、というのが実情です。
こちらをご覧の皆様にはお分かりになっていただけると思いますw
さて、実施方法です。
先ほども登場した「高度な設定」に切り替えがあります。
設定>高度な設定>高度な設定>無効なモジュール出力
Mage_AdminNortification が「有効」になっているので「無効」にして保存
これで先程のようなメッセージが出なくなります。
ただし、実際にはパッチなどの情報が出ていることもあるので、
システム屋さんとしては定期的にチェックしてください。
システム>お知らせ で確認できます。
と、ここまで書いてまいりましたが、残る 5 つは次回に持ち越させてください。
先日の MeetMagento でもしつこくお伝えしましたが、
Magento は世界で最も多く使われている EC プラットフォームで、
本当に多機能です。
ただし、日本向けには作られていません。
でも安心してください。コミュニティや私達がいますよ!
このあたりのノウハウをもとに構築させていただいてます。
ということで、次は 5 日目のtao_s さんの「Meet Magento 2015 Japan に登壇した時のお話しなどを」です。よろしくお願いします!
株式会社 CLAVES 代表 堀内文雄